いつもの食卓

日本に帰って来た。

まだ時差ぼけしてて、雰囲気がつかめない。

日本に帰って来たって感覚もよくわからなまま、成田に着いて

バスに乗って、気がつけば我が家にいた。

家の中には子供の雰囲気が残ってる。

「あーただいま。」

まだ子供たちは学校に行ってる。しんと静かな部屋だけど

私は確かにここにいるんだ。

つい数十時間前まで外国人と外国語に囲まれた世界で

東京よりうんと、自然の沢山ある、綺麗なところにいたんだけど

家に入ると、私は私の巣に戻って来たみたいな気持ちがした。

ここの方がいいとか、あっちの方がいいとか

そういう気持ちじゃなくて、ただ、私は遠い国にいて

それで、今自分の国に戻って来たんだってわかった。

やっぱり私は日本人なんだ。四人のお母さんなんだって。

当たり前だけど、仕事したり、子供とはなれたり、いろんなこと

してると、私の顔が増える。顔というか、役割というか。

みんな誰しも持ってると思うけど、母とか妻とか、部長とかetc…

でも、自分の本当の姿に近い姿はどれなんだろうって良く考える。

どれも本当なんだけど、現実には。

でもうまく言えないけど、もっと自由に考えて本当の自分はどこかなぁと

思う事はよくある。そして、限りない自分の可能性を思う。

私はこれからどこに向かっていくんだろう。

ゼロ地点のような我が家に戻ってなおさら心は浮遊する。

そんな現実と夢の間みたいな気分の時にはしっかりと料理をするのが

一番だ。

私はいつも台所に立って気持ちを整理する。

悲しいとき、落ち込んだとき、辛いとき、怒ってるときにも。

心を鎮めるように、無心に、野菜を洗い

包丁をにぎり、米を研ぎ、火をつける。

そうして料理に向かううちに自然と心はまとまって来る。

答えはでないけど、心は落ち着く。不思議だけど。

ドイツに行ってる間には、沢山ごちそうを食べた。おいしいパンもたくさん

食べたし、チーズやケーキもたくさん食べた。

本当においしかったし、マクロビオティックだとあまりすすめられないもの

でもその土地の空気と文化が受け継いだ物はおいしく頂けるように

思った。

けれど、やっぱり玄米とみそ汁と梅干しと沢庵は恋しかった;)

だから日本に帰ったらすぐに作ろうと思ってた。

そんな訳で、台所に立ち、久しぶりに夕食を子供たちと一緒に食べる為

料理をした。

冷蔵庫は殆どからで、野菜が棚にあったから、それで出来る物をつくった。

小豆玄米に、大根の菜っ葉の炒め物、若布と里いものみそ汁に、

ごぼうや厚揚げ糸こんにゃく入ったすき焼き風の煮物。

白米の好きな子供たちも今日は文句を言わない。

おひつを開けて「あ、今日黒いご飯だ。」っていったけど

みんなの雰囲気は「あ、お母さんかえって来たよね。お母さんのご飯だもんね。」

という感じだった。

若布ふりかけをかけて「これおいしいんだよね。」ってもりもり食べてた。

今日はすっかりマクロビオティックの食事だ。

すき焼き風のごぼうを、アザラシの牙に見立てて遊びながら食べる。

本当はごぼうがあまり好きじゃないんだけど、なんとか楽しく食べてる。

そう、これがママのご飯。

好きな物ばかりじゃない。最近は肉も魚も食べるうちのこどもたちには

好物ばかりでもない。

でも、これがうちの味なんだよね。

もちろん、今度は子供の期待にも応えようとおもう。

5人でテーブルで食べるご飯はやっぱりおいしかった。久しぶりの

にぎやかな子供の声。

「これも食べなさいね。」「おかわりする?」「それ、かけすぎ〜。」

いろんな言葉をかけながら。

また私の台所にかえって来た。待ってる人がいる。

これからも毎日が紡がれていくこの食卓で。

 

 

 

 

 

 

5 コメント

  1. いつものカワゴエ

    おかえりなさい!
    地球の裏側から、文化も真逆だろうところから!
    美味しそうな食卓ですね。すき焼き風煮物、うちも今夜作ろうかな(*^^*)普段の食卓が本当に一番のごちそう!

  2. 日登美

    カワゴエさん、ただいま〜
    またクラスでお会いできるのを楽しみにしてますよ=)
    寒くなったから、すき焼き風煮物、おいしかったよ!

  3. kiko

    日登美さんおかえりなさい^^

    寒くなってきましたね

    私はこの4月から子供が幼稚園と小学校へ行き始めようやく一人の時間ができました。すると不思議に、子供が自分を求めているものとばかり思っていたからか、私は私のしたいことをしてもいいんだ!と、どこか遠慮気味な、おかしな感情が芽生えていました。ようやく最近その感情にも慣れ、お母さんである自分と私個人の時間のメリハリが心地よく感じています。 なので日登美さんの日記、気持ちがわかる気がしました。
     母でもなんでも生きている限り可能性は無限大ですね!!

  4. 日登美

    kikoさん、コメントありがとう。
    あ〜気持ちわかるなぁ、私もそういう時期があったから。
    子供の成長と共に、必要なことも変わるし、求められる物もかわるよね。
    お母さんの毎日になれると、つい「わたし」の時間を忘れちゃうし、そんな余裕も
    なくなるときもあるけど、子供を育てながら自分も成長して、いつでも自分らしくいれたらいいよね。そう思うと、人生って限りが無くおもしろいよね!
    これからも子育てに、自分の人生に、楽しもうね!

  5. 手仕事ってすごいですよね。中でも料理は無心になるからなのか、本当、気持ちが落ち着いてきますよね。不思議。。母性も満たされるような気がするし。