イースターの考察

早い,早すぎる。

時間が立つのが早すぎる。

気がつけばもう4月が終わる。

 

子供5人と犬二匹。国際結婚で異国暮らしを初めてはや8ヶ月。

今月とうとう赤ちゃんが初の高熱をだし、看病に明け暮れ

疲れを感じながらも懐かしいあの幼児期が再びやってきたという

実感に包まれた。

熱を出しながら,この世に生まれた体を少しずつ自分のものへ

作り替えると言われている幼児期の発熱。

何度も風邪を引き、乗り越え、免疫をつけてこの世界で

生きていく為に強くなっていくこの時期の子供たち。

熱を出したあとの顔つきが変わる。

態度が変わる。

「あぁ生まれ変わって、また一つ大きくなったね。」

もう熱を出す前とは別人の子供。一体どこへ行っていたの?

つい尋ねたくなるほど。

そんな風にいくつものさなぎを脱ぎすてながら成長を遂げる姿を

見ていた幼児期をまた繰り返している。

 

けれどさすがに嬉しいながらも5人目ともなれば

やや疲れがでてくるようで「いやぁ、年かなぁ。」と

ふとつぶやいてしまう。

肉体的にも精神的にも毎日が限界に達するという充実。

生きてるってすばらしい。この体も心も精一杯活かしていると

思えることはとても嬉しい。そういえば四人の幼児期も

毎晩体がじんじんするほど疲れてお布団にはいるのが最高に

気持ちよかったっけ。もうそこまで疲れるとやることやるだけで

余計なことを考える暇がないのもいいことだ。

なんとなく日々が既に瞑想状態なのだ。

けれど時にその疲れが限界をこし、心が折れそうな時もあった。

それでもお日様がのぼり、雨があがり、季節がかわって

今日という日が始まる。

終わらない夜はない。

それが一日なのか、季節なのか、年月なのかわからないけど

永遠に変わらないことなどない。

見えないところで命が動く冬の地上のように辛抱強くあるほど

目にあおい春の喜びはひとしお。

あぁ日本の春があんなに待ち遠しく感じるのはそのためなのかしら。

 

2014年4月ブラジル。

日本の裏側では秋が始まろうとしている。

市場ではサツマイモに柿、里芋にリンゴがならぶ。

まるで日本にいるようだけど

「Caqui(カキ)」と書いてある文字にくすぐったいような

気持ちになる。

日本から桜が散ったという話を聞いて、

たらの芽を食べるという話をきいて、

日本の春に思いを馳せる。

そうだ。ブラジルにはこんな春の気持ちは確かにないんだと

気がつく。

この土地で赤ちゃんを産んだのはブラジルの春。けれどこの国では

緑が地上から消えることはない。

常に緑の草が生い茂り、鮮やかな花が季節毎に咲き乱れる。

ささやかな風の色の違いと、しんと冷え込む朝晩の空気で

季節を微妙に作り出しながら、わずかに市場で見かける野菜の変化に

季節の移ろいを感じることはできても

命が再び息づく喜びと、復活を喜ぶような歓喜を

日本にいた時ほど感じることはない。

一度深く自分の内側に、地上の内側に深く深く潜り込み寝静まり、

内なる光を外の世界に映し出すような日本の春。

一年中生の息吹を、生命の喜びをたたえているブラジル。

ここでは喜びが命が絶えることなくいつでも目に見えてここにある。

同じ地球の上でも命の在り方がこんなに違う。

その違いが、形を作り,言葉を作り、音を作り、色を作り

味を作り、、空気を作り、動物も植物も人間も天気も

全てを作る。それがブラジルになる。

それが日本になる。

私たちはそこに8ヶ月前からやってきて、そこの色を見て、音を聞いて

食べて、眠って暮らしてる。

体の細胞が、命の質をつくるその環境がいれかわる。

なにかが少しずつ変化を遂げる。

 

もしそれをもっと見える形でわかるようにできるのならば

次に会ったと時には私の顔は変わっているだろう。私の体も

髪の毛もきっともう8ヶ月前と同じ人ではないだろう。

 

もしもこんなに遠くに来なくても

きっとそんな風な変化というのはどんな人にも訪れているのだろう。

生まれたてだった私の赤ん坊が今はその倍にもの

大きさに成長し、日々変わっていく姿を見せるように。

熱を出しながら命を完成させていくように。

成長しつつある子供が目の前にいてくれることによっても

私たちはきっと姿形は変わらなくても、彼らと同じように

変化し続けているということをもう一度思い起こす。

 

違いを知ることで、変わらない物をみつけながらも

変わっていくという希望を抱く成長という命のサイクルの

不思議。

 

世界は一つと思いながらも、

こんなにも世界は違うということの喜び。

違うのに同じだという世界の不思議。

 

日本の春とブラジルの秋、イースターのころの考察。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6 コメント

  1. よしの

    ほんとうに時が過ぎるのが早いです!私の娘も10カ月になり、明後日から復職します。。。去年、料理教室にいったときにお腹の中にいた子がこうやってお兄ちゃんと遊ぶ姿をみていると時の流れが早いなぁとつくづく感じます。うちの娘はまだ発熱していないので、その変化を観察しておこうと思いました!ひとり目の時はそんな余裕なかったなぁ・・・お互いに遠い場所ですが、同じ年の子供がいて子育てしていることになんとなく連帯感を感じてつつ、そしてまたいつか会える日を楽しみにしています!!

  2. tsubasa

    発熱!!まぁそんな月齢になったのですね。
    こどもの成長は本当に早いし、それだけ月日の流れを感じます。
    毎日こどもたちのごはんやら遊びやらに付き合っていると、布団の中で絵本を読みながら1番に寝ちゃったり ふと気がつくと夜中の1時だったり、毎日毎日その時その瞬間を生きている実感は、凹むこともあるけど、生きているという意味では、本当にその通りです。

    娘もあっという間に3ヶ月になり、兄と姉から咳と鼻水をもらい、ケホケホしつつも微笑んでいます。
    小さいままで居て欲しい〜か我が家みんなの願いですが、娘はおかまいなし、どんどん大きくなってます。

    今日は新月。日登美さんにとっても 世界のひとびとにとっても新しい一ヶ月が良い月になりますように。

  3. みゆき

    何度か東京で講座に参加させていただいた、ものです。(息子は樂人です。)
    最後にお会いしたのが、私が妊娠中で、今はもう日登美さんが出産されてるんですね。日登美さんに、会いたいですー。

  4. Yamada

    日登美さんのエッセイ集が読みたいです。
    いっつもじーんとあったかーい気持ちになります。
    ありがとうございます。

  5. 日登美

    よしのちゃん、もうお子さん10ヶ月!早いね〜あの時同じくらいの時期に妊娠してたんだよね。元気にしてますか?いつか子供も一緒に会いたいですね!

    tsubasaさんとこももう3ヶ月!いやいや〜本当にあっという間だね。お兄ちゃんやお姉ちゃんもいてきっと楽しいだろうね。お名前は何になったのかしら。また大きくなった子供たちも一緒に会いたいな。

    みゆきさん、もうすぐあかちゃん生まれるのかなもう生まれたのかな?私もまた会いたいです!是非お子さん連れで!=)

    yamadaさん、こちらこそありがとう!私も遠くからいつも応援してるよ。実はエッセイ集でるかもしれないからブログでチェックしててね=)時期が来たら報告します!

    と、みなさま可愛い子供たちを思い出させてくれてありがとう。
    それぞれの世界で,場所でお互いお母さんを楽しみましょうね。

  6. Midori

    涙が出るほど染みました…!!