台所の思い出

夕飯時にみそ汁を作っていると

ネギを刻む音に次女がやってきた。

「ねぇ、お母さん。どうやったらそんな風に

早く細かくネギを切れるようになるの?」

「それはね、毎日料理してたらそのうち出来るようになるんよ。」

(これ、大分弁です。私の母がこういうしゃべり方をするんです)

そう答えると,次女は嬉しそうに,おかしそうに

微笑みました。

「実はね、お母さんも子供の頃にお母さんのお母さん、

つまりあなたのおばあちゃんに同じ事を聞いた事があるんだよ。」

そういうと次女はまた嬉しそうな顔をしました。

「それでね、その時におばあちゃんは今言ったように

毎日料理したらそのうち出来るようになるんよ〜って笑いながら

答えたんだよ。」

するとますます嬉しそうに置かしそうに次女は笑いました。

「だからね、あーちゃん(次女)も大きくなってお母さんになって

子供が生まれて同じ質問をされたら、毎日料理してたらそのうち

出来るようになるんよ〜って言ってあげてね。」

と私は言いました。

すると次女は恥ずかしそうにはにかんでどっかに行ってしまいました。

 

「毎日料理してたらそのうち出来るようになるんよ。」

子供にとってはたいそうなワザに見えるネギ刻み。

とんとんと小気味よい音にリズミカルな包丁さばき。

自分ができない分,母の手元は魔法のように見えたものでした。

おなさい自分には到底無理だと半ば諦めていたその魔法が

「そのうちできるようになる」と笑いながら母がいってくれた

ことでとても嬉しくなったのを覚えています。

「わたしにもいつか出来る日がくるんだ」

その思いはもしかすると

「いつか私もお母さんになる日がくる」という思いと

同じだったかもしれません。

 

そして今、あの頃と同じ年頃に育った次女と

あの頃と同じ会話をする母になった私。

思いがけず台所の思い出が紡がれた夕暮れでした。

 

 

 

 

4 コメント

  1. igumama

    ほっこりするエピソードですね^^

    日登美さんよりちょっと先にお産しましたが
    早い物であれから一年。
    1歳になった息子は、もう元気にお外を小走りです。
    産後は炊飯器にお世話になっていたのに
    息子がお粥を食べだすと、我が家の朝は
    家族そろって土鍋炊きのお粥が定番になり
    また火で炊いたご飯が戻ってきました。

    お母さんになってから台所に立つのは
    慌ただしいながらも何かワクワクします。

  2. 日登美

    土鍋炊きのおかゆ、いいですねぇ。
    私も明日はそれにしよ=)

  3. nacco

    日登美さんのブロクを偶然拝見させて頂きました。モデル時代の日登美さんを存じてましたから今の生活に至るまでの事を何も知りませんでした。日登美さんの生き方 人間らしく素敵です!!

  4. 日登美

    naccoさんありがとうございます。
    時の流れは早いですねぇ,モデル時代=)なつかしい!