問答。。

夜の読み聞かせを続けてもう何年も経つ。

最近は子供だけで勝手に寝てる事も多いけど、今でも

やっぱり、読み聞かせは子供の大好きな時間。

昔から読んでいたのは、日本の昔話全集や、グリム童話集。

長女が3年生くらいからは宮沢賢治を読んでいた。

ちょっと難しい内容なのだけど、子供たちは何となく物語の

世界にある何か、をつかみ取っているようだった。

私は、解りやすい勝ち負けや、白と黒があるような話しより

もっと抽象的な物語というのがお話としてはいいものだとおもってる。

グリムの話の理不尽さや、怖さや面白さは、ディズニーの話しの

ストーリー展開とは明らかに違う質を含んでいいる様に思う。

子供にとって読み聞かせは、頭ではなく心が動くのが何より

楽しいことだと思ってる。

今夜は久しぶりに長女からリクエストがあり宮沢賢治の

「やまなし」を読んだ。6年生の教科書ででてくることもあって

興味がわいたようだった。

3年生の頃は、話しは好きだけど、ストーリーの意味は解らないと

いうこともあって、最近はずっと読んでなかった「やまなし」

でも今日は本を読みながらこのお話はどういう意味だと思う?なんて

子供たちと話しをしながら読み進めてみた。

長女はこの話が、カニが主人公でその目線で語られる水の中の出来事、

魚が人につられる恐怖や、水の中の美しい景色や匂いなどを

語っていると理解していた。

今までは「どうして、カニが怖がってるの?何が怖いの?」って

言ってたのに、いつの間に話しを理解するようになったんだろう。

子供の成長は親の見ない間にすすんでいく。

「怖い」こと。

長女にとってこの話は「怖いもの」について想像する話しだったようだ。

話しの途中で彼女はこの話を聞いてた小さい頃に思ってた事を

話しだした。

「ひよりはね、怖い物について、これを聞く度に考えてたの。

まずは小さい物から順番で、ありは何が怖い?多分、バッタとかちょっと

自分より大きい虫。じゃバッタは?多分カマキリとか、食べられちゃうから。

じゃカマキリは?もうちょい大きい虫。みたいにね。そうするとどんどん

動物とかになって、最後は絶対人間になるわけ。

それでじゃ人間は何が怖い?って思うのね。」

そこまで言って、私は質問した。

「怖いって、どういうこと?何を怖いっていうの?」

するとひよりは

「怖いって、死ぬってこと。自分が食べられちゃうのは怖いじゃん。

死んじゃうのは嫌じゃん。だから自分を殺しそうなのは怖いってこと。」

それで、また私は質問した。

「じゃ、人間は何がこわいの?」

「それがさ、人間は怖い物がいっぱいあるんだよね。まずは地震も怖い

じゃん、火事も恐いし、海とかもあぶないじゃん、つまり自然が怖いよ

ね。死んじゃう事もあるから。で、動物は人間が怖いんだけど、だって人間は

動物殺すじゃん、でも人間も動物が恐いんだよね、だってライオンとかだったら

食べられちゃうじゃん。それで、他にも鬼とかも怖いわけ。見えないものとか。

だって鬼も人間食べるじゃん。それに意地悪するし、怖いじゃん。」

「それで、鬼は何が怖いかって言うと、不思議なんだけど、やっぱり鬼も

人間が怖いわけ。だって人間は鬼を退治するじゃん…」

「それで、自然も人間が怖いの。だって人間は自然を壊すじゃん。」

「で、動物も人間が怖い。だって殺すから。」

そこで私の質問。

「じゃ、なんでお互いに怖いのかな。」

するとひよりは

「お互いにお互いが怖いから。怖いからいじめる。

怖いから殺す。と思う。」

「じゃ、どうすればいいのかな。どっちも本当は死にたくないし、

どっちも怖いんだよね。じゃ、どうしたら怖いものはなくなるの?」

ひよりはこういいました。

「仲良くすればいい。人間は鬼が恐いけど、泣いた赤鬼(絵本のはなし)

も人間が怖かったでしょ。でも最後は努力して、仲良くなりたいから頑張ったら

なれたでしょ。信じたら大丈夫だったから。そうすれば良いと思う。」

「怖い」ということ。

怖さを乗り越えていく事。

怖さの本質は何か。何を恐れるのか。

生きる事。死ぬ事。

怖れから来る不安。不安から来る攻撃。

「信じたら大丈夫だった。」ように

「仲良くすればいい」ように

外の世界に対しても、(動物や自然)

内の世界に大しても(鬼や目に見えないもの)

仲良く出来るように、信じていけるように….

今夜の読み聞かせは、思わぬ方向へ進み、

読み聞かせを通して、子供がそれぞれに心に抱いていた思いを

聞けて、お話一つから広がる人間の心の広がりを見せてもらいました。

一つのお話が、一つの些細な出来事が、人間の人生で

種としてまかれ、芽を出し、育ってゆきます。

何がどう育つかは、わからないけど

積み重ねていく毎日には、その種が沢山あるのだと思いました。

 

 

 

 

 

5 コメント

  1. こやあの

    最近よくアップして頂けるので嬉しいです!仕事復帰して以来、読み聞かせとかできてないので改善が必要ですが、日登美さんの子育てはとても良い刺激や励みになるのでいつもありがとうございます。

  2. のん

    胸にぐっときました
    怖いことを 乗り越える為のひよりちゃんの考えだした答えは
    シンプルで でも核心だとおもいました

    すごいです

  3. ひえー。じっくりと、なるほどな、と読ませていただきました。正解不正解はないんだろうけど、こんな親子の会話って大事だなー、素敵だな、と思いました。私の娘はまだ2歳ですが、できるだけ丁寧に、ゆっくりと会話をしたいな、と思います。

  4. Yamada

    こどもの、考える力とか感じる力、すごいな・・・と思います。
    大人がハッとさせられる。
    ありがとうございます。

  5. Anonymous

    こどもが大人に仲良くしなさいって言われるのでなく、自分で考えて方法を見つけていくのが素晴らしいですね。素敵なお話ありがとうございます。