夢の弁当

ブラジルに来てからというもの我が家の食事は随分変化した。

菜食で育ててきた子供たちには欲しがるだけ肉も卵もあげる。

マクロや菜食の枠を取っ払って、ただ子供が食べたい物を

出来るだけ作ってあげるようにしてきた。

それに伴ってお弁当も変わった。

今日はパスタがいいとか、サンドイッチがいいとか

どんどんリクエストしてくる。

もちろん玄米はやだからね〜と言われる=)

それでもいい。自分の欲しい物を欲しいと言ってくれれば

それはそれでいい。そう出来るか出来ないかは別にして。

でも言われて作るのと,言わずに分かってあげるのとでは随分

違うようだ。

「これ欲しい」と言われなくても、阿吽の呼吸で入れたてのお茶を

出せる熟年夫婦のように、子供たちの「欲しい」を

汲み取ってあげられたらいいなぁと思う。

 

ある時、子供たちに初めて鳥の唐揚げを作った。すると大好評で

大騒ぎになった。

なので長女のお弁当の日に朝から鳥の唐揚げに卵焼きに、と

いわゆる代表的なお弁当メニューを作ってみた。

朝起きてきて今日の弁当をチェックする長女。

すると

「あ。夢の弁当。。。」としばし呆然としながら小声でつぶやいた。

「?何が?」と私が聞き返すと

「これ、本物の唐揚げでしょ?卵焼きでしょ?それにサラダも

ついてるのでしょ?」

「うん。作ってみた。好きかと思って」と私。

「ほら〜やっぱり。すごい。これずっと夢にみてた弁当だよ〜

こういう弁当つくってもらえたら夢みたいだなって思ってたんだよ」と

長女。

「へぇ。。」と私。

ブラジルに来る前は給食もあって弁当を作る事も少なかった。

その前は菜食でお弁当を作ってきた。

今でも「あの頃の弁当にこんなおかずよく入ってたよね〜」と

木のワッパに持たせていた弁当の話題になる事がある。

それはそれで楽しい思い出らしい。

だけど、長女はその日作った弁当をずっと夢見てたのだった。

「きっとうちは菜食だからこんなのは作らないんだよね。」と

思っていたのだろうか。

どれくらいそのお弁当を食べたかったのだろうか。

どれくらいの間そういう風に思ってたんだろうか。

 

私も私で一生懸命出来る限り子供に寄り添って弁当を作ってきた。

私の判断で食べさせたり,食べさせなかったりしてきた。

それが子供たちを守り育てもしたと思う。

だけど。

「夢の弁当」の一言は私にずしっと響いた。

毎日夢見てばかりじゃいられないのもわかる。

欲しい物ばかり与えて言い訳もないだろう。

だけど、子供それぞれにそれぞれの必要があり、欲求があり

生きる道がある。

それに私は果たして本当に寄り添ってきたのだろうか。

 

たった一つのお弁当。ただの弁当。

毎日の御飯。ただそれだけだけど

それを皆で美味しく紡いでいくというのは本当に

難しいなぁと思った。

いや、本当は難しくかんがえることなんかないのかもしれないのだけど。

 

これからもいろんな変化をしながら、子供たちに,家族に

はっとさせられながら

台所の日々を紡いでいけたらいいなぁ。

 

 

6 コメント

  1. haruhika

    とっても美味しそうなお弁当!
    うちの息子は肉嫌いの野菜大好きっこ。でもなかなか体重が増えず悩んでいます。
    子供って大人と違って、頭じゃなく本能で食べてるからきっと今の息子の身体には必要ないのねと思うのだけれど、無理に食べさせてしまったり…。
    子供の食って日々劇的に変わるから、これからも楽しみです。

  2. Lan

    こどもの夢と、健康と、天秤にかけて毎日ごはんをつくりながら、きっとわたしはこどもとともに成長していくのだろうと思います。

  3. saori

    いつも本当に楽しみにこのブログを読ませてもらってます!うちの子供たちとも、この話題でいつもぶつかり合って、ぶつかったり受け入れたりを繰り返して毎日をなんとか過ごしています。母の想いは、中々わかってもらえず、意地悪な母はいつもクリスマスプレゼントをサンタさんからは貰えないよとか、ブーブー言われ悲し〜〜とおもいながらも、いつか分かってくれるよねと、自分で自分をはげましながら!笑
    『夢のお弁当』のところで、涙してしまった私、どちらの想いも痛いほど分かるな〜〜なんて思って♡いつまでも、相手を受け入れ柔らかくありたいな〜と想いました!遠い地ながらも、ひとみさんの様子が伺えて嬉しいです、楽しい毎日を過ごせますよう祈ってます☆

  4. yamada

    こちらはこちらで良かれと思って、必死で、でもそれが相手にとっては価値観の押し付けみたいなものでしかなくて、、、ってこと、よーくあります。どうしたら良いのかしら、って、良く感がてしまいます。でも、結局、自分がハッピーで元気でいることと、相手の考え方もしっかり受け入れることが、大事なんだろうなあ、なんて思います。
    日登美さん、すてきー
    かっちょいい、かーさんです♡

  5. さちこ

    子どもの食事に日々格闘しています。もう、本当に格闘という言葉がぴったり。私が与えたいものと、子どもの食べたいものが一致しないことが多いようです。「寄り添ってきたのだろうか」の言葉がとても心に響きました。ライフスタイルもお食事も洗練されている日登美さんでも、こうやって振り返ることがあられるのだと、新鮮な驚きと安心と、そしてこうしてブログにのせてくださったことへの感謝、温かな気持ちになりました。
    毎日のごはんづくり、台所のお仕事、とても愛おしい時間ですね。

  6. ゆき

    大人が欲するものと成長期の子どもの身体が欲するものは根本的に違いますしね。骨や肉をどんどん作らなきゃいけない子どもたちの身体はタンパク質がとても必要で肉なんてとっても美味しく感じるんでしょうね。特に男の子は肉・肉〜!です。大人になったらちょっとは落ち着くかな?と思っていますが…肉ばっかりになってもなーとモヤモヤする自分も。難しいなー